【漁師めし 雑魚や】快進撃が止まらない、厳選魚介類を衝撃の価格で楽しめる大人気店

▼烏丸近辺で働く魚好きなら誰しも耳にした事がある「漁師めし 雑魚や(ざこや)」。2011年の開店以来、味良し、接客良しで今や不動の人気店になりました。ボリュームも味も素晴らしく、誰かに言わずにいられないほどのランチは毎日が争奪戦。開店直後から売切の瞬間まで行列が続く。会員制の居酒屋や、5席しかない寿司屋、フレンチベースのお店や海鮮ラーメン店を開くなどまさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。

今回はそんな大・人気店として注目の「雑魚や」店長 東駿介さん(以下、A)にお話をうかがいました。

 ※本インタビューは2017年2月に行いました

もくじ

■熱烈な支持を受け、口コミが広がる理由

■日本酒から調味料にいたるまで、厳選を貫く

■独自の接客の裏側にあるもの

熱烈な支持を受け、口コミが広がる理由

ー 今日も表の看板に「ランチ完売」と出ていましたが、ほぼ毎日完売ですか?
A:はい。

ー 何名来られたら完売になりますか?
A:80名様くらいです。

ー 開店前から行列ができ、いざ食べてみてもこれでお店は大丈夫なのかと心配になるくらいのボリュームですが、それできちっと成り立つものですか?
A:はい、その点はなんとか大丈夫です(笑) ランチのメニューは毎日違うんです。何種類かは一緒でも、真ん中のメインは毎日違います。夜の時間も、うちはグランドメニューがないのです。毎日仕入れによって全部変わります。今日はこんな良い素材があるからこうしよう、という感じです。

ー その日の本当においしいお魚が食べられるという事ですね。京都中央卸売市場で有名な「山口商店」さんから熱心に応援を受けておられます。質の高い魚を仕入れる事で有名なお店です。
A:そういった素晴らしいお店のサポートがあるからこそ、うちの店は成り立っていますね。

ー 居酒屋よりは価格帯が上だけれどもその分、居酒屋よりもクオリティの高いお料理が出てきます。味が良く、それほど高くない。お客さんが喜ぶ理由はこれですか?
A:実は、価格じゃないと思っているんです。「何を売っているの?」と言われた時、魚ではなく「初体験」と「驚き」を売りたいんです。
おいしい魚を味わっていただいて、「おいしいな!」と喜んでいただくだけでは足りません。「こんなの初めて」と驚いて貰いたいと思ってやっています。盛り付けの仕方や、どういう器を選ぶのか、そしてそれをどうやって説明してお出しするか。いくらでも工夫の余地があります。もちろんお店全体の雰囲気も含めて。楽しい、驚きがある、その一点に賭けているのです。

ー 特別なランチの会や、ユニークなテーマの夜の会など、面白いイベントも定期開催され、いつも満席です。どのように発想されているんですか?
A:お店を一日休みにしてみんなで朝から晩まで一年の計画を立てているんです。その時その時に考えてではなく、この時期にはこの企画、といった事を全て考えて進めています。

ー 年間で楽しんでいただくための企画がある程度決まっているという事ですね。
メニュー作り等お料理に取り組まれる中で、工夫やこだわっているところはどんなところですか?
A:繰り返しになりますが「初体験」と「驚き」というところです。スタッフで意見を出し合い「こんな事は他のお店はやっていないよね」「こんな企画があったらうれしいよね」「食べ慣れた素材でもこういう出し方はインパクトあるよね」といった事を常に考え、日々挑戦しています。
他のお店と同じような事をすると比べられてしまいますが、全然違う事をしたら比べるものがないので、そこで1番になった方がいいだろうと。

日本酒から調味料にいたるまで、厳選を貫く

ー お店では日本酒はよく出ますか?
A:ビールと日本酒で全てという感じです。うちは日本酒は「奥播磨」と「鳳凰美田」「城陽」となど厳選した数種類のお酒しか置いていないのです。「造ってる人が好きで、蔵の考え方が好きで、酒が好き。」この3つが揃ったお酒しか置いていません。「奥播磨」さんに関しては「日本で一番(奥播磨のお酒の)種類が飲めるのが雑魚やだ」と蔵元さんが言っていました。「鳳凰美田」さんに関してはほぼ全種類置いていまして、関西で一番の取り扱いだそうです。実際にお酒目当てに来てくれるお客さんもいらっしゃいます。

ー 調味料も色々と厳選したものを使われているのですね。
A:京都の「澤井醤油」さんと千葉の「下総醤油」さんを使っています。「下総醤油」さんは、さんまさんがテレビで紹介して今、日本で一番買えない醤油です。前から付き合いがあるので入れて貰っています。お酢屋さんもここ(雑魚や)を西に行ったところの「齋(いつき)」さんのものです。

ー こんな近くにあるのですね。
A:食材はこだわっているものが多いですね。

ー やはりお醤油でもちょっと替えるとだいぶ味は違いますか?
A:全然違います。

ー この味にしたい、とかをどのようにして決めていかれるんですか?
A:僕らは理想から入って、やりたい事からやっていきます。考えてやらないよりはやってみてそこから修正したほうが早いと思うんです。「うちはこう考えてこうなんです」としっかり言えるようなものを極力使いたいと思っています。

独自の接客の裏側にあるもの

ー 実際にお料理もそうですが、結構スタッフのみなさんもとても元気がいいと言うか、その接客の仕方も独特な感じがします。
A:ここで初めて会ったメンバーではなく、前いたところにみんないてずっと付き合いがあるので、距離が近く普通の会話でもそのようになっています。ある意味家族よりも長い時間を一緒に過ごしていますね(笑)

ー 料理はタイミングが命だったりするので、そのように息が合っている事は大事なことのように思います。熱いものをお客さんにビシっと出したりだとか。
A:男同士なので言い合う事もあります。でも根本はお客さんのためにという事があってみんな言うのであって、嫌いだから言うのではありません。外からこれ欲しいと言われたらそれを出せるように、そのように常に成り立っているので後からギクシャクしたりという事はほぼないです。

ー 昨年2016年12月に店長になられたとの事ですが、スタッフとして働いていた時から変化はありましたか?
A:最初はよく分からなかったです。考えたらキリがないですが一番楽しんでやりたいと思っています。
 あとやっぱり、お店の事をよく見るようになりました。
 お客さんが帰る時に「この店アリだな。楽しかった。」と思って貰えるように、このお客さんは本当に何がして欲しいのか、自分だったらこうしてくれたら嬉しいだろうなという事を考えるようにしています。帰る時に「おいしかった」は普通に言いますよね。おいしくなくても多分お世辞で「おいしかった」と言う人はいても、楽しくなかったら「楽しかった」は言わないだろうと思うんです。なのでお客さんがどうやって喜んでくれるかという事を思って、接客しないと次はないと思いながら仕事をしています。接客するスタッフも何かしてあげたいというところから色々な意見が出てくるので、そこは大切にしていきたいですね。

ー いま烏丸近辺で魚介類が食べたい、となった時に真っ先に名前が上がるお店になっていると思うのですが、今後京都以外に出店する可能性はありますか?
A:今のところはないと思います。

ー それは何か理由があるのですか?
A:スタッフが京都の人間ばかりなのでよそに行く事がないと思います。この街でみんなで「雑魚や」の看板でいろんなジャンルのお店ができたらいいなと思っています。「どこ行く?」となったら雑魚やの中で選んでもらい、「雑魚やなら間違いないな」と思って貰えたらいいかなと思います。

ー 人気店の裏側には様々なお考えがある事がわかりました。どうもありがとうございました!

(従業員はみなさん仲良し 左上:店長 東駿介さん)

 

SAKE Spring2018「おつまみグランプリ」にて「まぐろの生ハム」が見事2位に輝きました。

【DATA】
「漁師めし 雑魚や」
所在地:京都市中京区 六角通烏丸西入ル骨屋町147番地3

「358」 
所在地:京都市中京区元竹田町631−3 東洞 院 通 蛸薬師 下る エステート ビル 四条 烏丸 B1

「メンとメシ ザコヤ」
所在地:京都市東山区東山区富永町145 メントメシ ザコヤ