【京料理 沖よし】名寺院御用達店、京和食のオールラウンダー

▼新鮮な魚介類をつかった絶品の寿司や会席料理が自慢の「京料理 沖よし」。その実力は、東福寺や泉涌寺、智積院など東山の数々の寺院の御用達に指名されるだけでなく、地元の人々からも愛されています。酒の肴にもなる同店の名物・鯖寿司や穴子棒寿司、わさびいなりも乙な味。

地元で愛される味にはどのような想いが込められているのでしょうか。
今回は「京料理 沖よし」店主の池田純一さん(以下、I)にお話をうかがいました。
※本インタビューは2017年1月に行いました

先代から引き継いだ想い

ー お店の創業のきっかけをお伺いします。
I:創業して60年程、創業年は1950年位です。父親である先代が独立してお店を創業しました。先代は創業前に京都市内の寿司店で修業をしていたと聞いています。

ー そこから独立し、現在の場所で開店されたのですね。
I:そうです。先代は石川県の出身ですが、このお店がある東山七条の辺りには陶器の窯元さんなど、石川県出身の方が多い事から、ここでお店を開いたようですね。

ー こちらで一番人気のメニューは何ですか?
I:「洛味弁当」や「松花堂弁当」でしょうか。まずは気楽にお食事をしていただける弁当を作ってみようかなと、先代のアイディアで作りました。会席料理もよくご利用いただいています。

※料理写真は沖よしのお弁当イメージ

ー 先代から継がれた後に、ご自分で新しく工夫した事や開発されたメニューはありますか?
I:メニューも古いものも残しながら内容を新しく変えたり等の工夫をしています。
旬の食材を盛り込んで季節感を出すといった事でしょうか。

ー 以前は、それほど季節感等を重視されていなかったのですか?
I:京都でもこの界隈は土地柄的に、ボリュームのあるお料理が好まれていたのです。そういう雰囲気も残しながら、季節を感じて貰える料理内容に変えたりとか、お子さん向けであったり若いご家族連れの方向けのメニューを用意したり、という事も考えています。

ー 三十三間堂や智積院、泉涌寺など、界隈のお寺関係者のご利用も多いそうですね。
I:そうですね。家族でいらしてくださる方も多いんですよ。

ー いつもどのような事を心がけていますか。
I:おいしいという事はもちろんですが、楽しんでいただけるお店作りを考えています。
ー お料理だけではなく、気分的にもゆったり楽しめる空間という事ですね。

ー お父様から引き継いで、あの時は大変だったなと苦労した事はありますか?
I:先代が常に背中にいるので、比較される事が多い事です。
「先代はああだった」という話は色々いただきます。そういう部分では、いいお勉強させて貰ったと思っています。内から見ている部分よりも外から見ている部分で、こういう事もあるんだなと、ご意見をいただいて気付かされる事があります。

ー 比較された時など、もっと頑張ってやろうと思ったりしましたか?
I:できるだけ先代に近づけるよう、日々努力しています。

ー 正直なところ、今は先代に匹敵する位、または超えたと感じていますか?
I:まだまだ、中々超えられないです。先代はお店の事以外にも色々な事をしていましたので…。

ー お店の事以外とは?
I:寿司組合をお手伝いさせていただいてました。店の経営もですが、組合での活動にも力を注いでいました。

ー 店内に京焼の大変立派な大皿(東海道五十三次を描いた55枚の絵皿)がありますが、どのような経緯で飾られるようになったのですか?
I:あれは先代の趣味というか…。この辺りは窯元が多いので、お店の名物にしたいという想いもあったようです。中々55枚も揃う事も無いそうです。

ー お皿は色々な窯元から集めて来られたのですか?
I:いいえ、1つの窯元で焼いて貰いました。この店を改装する時に間に合うように作って貰いました。先代は器にもとてもこだわっていました。日々、そうした先代が残してくれた器を使いながら営んでいます。

東山七条エリアで描く未来とは

ー 今後の展望をお聞かせください。
I:「東山七条エリアへ来たらうちで食事を」と、言って貰えるようなお店作りをしたいです。この界隈には、三十三間堂さんや智積院さん、泉涌寺さんなどの名所が多数あります。そんな中、「ここに行ったらあそこのお店」とか「ここに来たから、あそこのお店行こうか」とか、そのように言って貰えるようなお店にしたいです。

ー 以前弊社とこの地域を巡るツアーを行いましたが、その後地域の方の反応はいかがですか?
I:アレもコレも盛り込んで忙しすぎたかなと思います。お寺で1日を過ごして修行を体験するなど。ゆったりした時間の中で僕らが少しお手伝いできたら、この地域としては面白い事ができると思います。

ー この辺りは比較的ゆっくり見て回れる所が多いので、地域特性を活かしてじっくり体験するような事の方が良かったですね。
I:この地域を訪れた時はゆっくりと。携帯電話など触らなくてもいい、そんな風にお寺の中で一日を過ごしていただく事で、きっと贅沢な時間を過ごして貰えると思います。

ー 地域を盛り上げていけたら、という想いが強くありますか?
I:人が来てこその街であったり道だと思っています。この地域には門前町や参道と言う考え方がありませんが、僕自身はそういう考え方も持ちながら、地元の人と観光の人がうまくマッチングできるような街作りができたら面白いですね。
地元の人は地元の人で行く場所があって、なおかつ観光で来た人には行く場所があって、全体として盛り上がっている街になるといいと思います。
人をどう寄せるか、という事はどこも考えていますが、この地域は素晴らしいロケーションがあるので、もっと地域のイベントに参加し、人に寄って(集って)もらうと街も活気づくし、そういうものを目指していけたらなと思います。

ー 具体的に地域の方と取り組まれていることはありますか?
春には「日吉窯元まつり」「商店街の餅つき大会」、夏には「夏まつり」に。秋には東山南部エリアで連携して「太閤まつり」に。さらに、東福寺さん・泉涌寺さん・智積院さんの三ヶ寺拝観に、三十三間堂さんの「通し矢」や「春挑会」など様々なイベントや行事に参加させていただいています。
そして、イベントを通じていかに集客に繋げるかを考えています。「そういえばあそこにあんな店あったよ」という風に地域と一緒に広まれば、と。

ー お酒に何が合うかなというところで、色々考えているのですね。
I:そうです。

ー 普段から日本酒は呑まれますか?
I:割と呑みます。冬場は燗が多いです。銘柄は特にこだわりませんが、辛口系をよく呑みます。

ー ご自分が呑まれるのであれば、何が合うかを考えやすそうですね。当日のお料理を楽しみにしています!

【DATA】
「京料理 沖よし」
所在地:京都府京都市東山7条下る東瓦町677番地